こんにちは。
コスモメディカルクリニック中野の、院長木原です。

今日は赤ちゃん、とりわけ0歳児の湿疹の対処法について、ご説明します。
中野新橋 皮膚科 コスモメディカルクリニック院長ブログ
今からするお話は、湿疹がひどい赤ちゃんのお話です。

もう直ぐ4月ですが、東京はまだまだ寒いです。

(1)寒いと、赤ちゃんが風邪ひかないように、ママたちは良かれと思って、赤ちゃんにお洋服を着せたり、おくるみでくるんであげたりします。

(2)体ががさがさだと、清潔を保ってあげないと、と赤ちゃん用のベビーソープで体全体をしっかり洗います。さらに湯冷めしないように温かいお湯で、しっかり温まるまで、お風呂に浸からせます。
さらにお風呂上りに、湿疹があるとカサカサして見えるので、ベビーオイルや、市販の保湿剤を塗ってスキンケアをします。

(3)いよいよ湿疹悪化して、医療機関を受診しても「湿疹に数日は毎日塗るように」、と渡されたお薬も、ステロイドの外用は心配だからという漠然とした不安から、薄くごく少量、一回塗って、塗るのをやめて、まだ赤くてもあとは、市販の保湿剤を塗って様子を見ます。

実はこれ、ぜーんぶ間違ってるんです!

では、どうすれば良いか

正解は・・・

(1)赤ちゃんは暑がり!
ママよりお洋服は、1枚薄く
特に湿疹が酷い赤ちゃんは、すでに赤く痒いので、おくるみで頭部まで覆うと、痒みが増して、掻きこわしてしまいます。
頭部は皮脂が固まって、頭が油のうろこみたいになってしまいます。

体が温まると、赤ちゃんは手の届く範囲で自分の顔を引搔いて、血が出てしまいます。
ママたちは引っ掻き傷が可哀想だと、手に手袋をつけて、さらにおくるみやお布団で、少し手を押さえつけて、引搔かないようにします。

手足は汗を蒸散させることにより、体温調節をしている部分なのに、それを閉じ込めてしまうと、さらに体に熱がこもって、体は痒くなってしまいます。

(2)肌の弱い、湿疹が沢山出ている赤ちゃんには、ソープはあまりおすすめではありません
固形石鹸で洗いましょう。
液状のものは、ベビー用といっても防腐剤や添加物が少なからず入っていることが多いです。
また、洗浄力も高過ぎて、赤ちゃんの大事な皮脂を奪い過ぎてしまいます。

汚れで湿疹が出来ているわけではなく、皮膚のバリア機能がしっかりしていないために出来た湿疹です洗い過ぎは良くありません。

また、さらに湿疹が酷いところに、防腐剤、添加物が沢山入っソープを使うと、経皮感作(けいひかんさ.皮膚から入った物質に新たにアレルギーを起こすこと。)を起こしてしまうことがあります。
湿疹があるところは、皮膚のすぐ下に免疫細胞が集まってきています。

湿疹ができて、皮脂膜でキレイに覆われていないお肌は、体の外と中が交通してしまっている状態です。

皮膚のバリアをかいくぐって、アレルギー物質が入ってくると、さらに痒くなったり、新たなアレルギーを引き起こす原因となります。

これは、湿疹でがさがさしているところに、保湿剤を塗ることも同じです。
新たなアレルギーを誘発してしまう可能性があります。

アメリカで、ピーナッツアレルギーの子供が沢山でてしまった原因は、赤ちゃんの時に、お母さん達が、保湿のために塗っていたピーナッツオイルが、経皮感作を起こして発症したという話は有名です。

ピーナッツを初めて食べたのに、アナフィラキシーショックを起こしてしまった事例もあります。
経皮感作はとっても怖いのです。

口から摂取して起きるアレルギーよりも、皮膚から入る経皮感作の方がアレルギー発症率も高く、症状も重篤になりがちです。

なぜなら口からの摂取は、小腸による免疫寛容(めんえきかんよう)があり、アレルギーを起こしにくいのです。

(3)ステロイドの塗り薬は、適切な量を、適切な範囲に、適切な期間塗れば、怖くもなくて、とても有効な治療法です

ステロイドのお薬に不安を覚えているお母さんたちに、まず話すことは
1、湿疹があることによって、新たなアレルギーを発症する可能性があること。お薬を怖がって塗らないで、保湿だけで様子を見ることはステロイドを数日塗る以上にリスクがあること

2、少しずつ塗って、塗ったり塗らなかったりで、1-2か月塗り続けるよりは、1週間と決めて、しっかり塗る方が、ステロイドの副作用が起きにくいこと

3、プロアクティブ療法で、少しずつステロイドをオフにしていけば、いい状態を保てるということ

まず、1は先ほどお話ししたように、湿疹があることろは、皮膚のバリアが低下して、体の外と中が筒抜けの状態です。肌に触れるもの、塗ってしまうの、色々なものに、アレルギー感作を起こす可能性があります。
ステロイドを塗るのが怖いからと、非ステロイド系のお薬をずっと塗っていて、結局湿疹は長く治らず、逆にずっと塗っていた非ステロイド系のお薬に、アレルギーがおきて、更に悪化させてしまった例もあります。
また赤ちゃんは湿疹が酷いと、体も痒くて、ご機嫌も悪くなりますし、寝付きも悪くなって、赤ちゃんも、ママさんたちもかわいそうです、、、
「早く、先生のところに来ればよかったです。」と何度言われたか、わかりません。

以前のブログでもご説明しました、1FTU(Finger Tip Unit:フィンガーチップユニット)大人のてのひら二枚分の湿疹の範囲で、人差し指の第一関節分の量が適量と言われています。

中野新橋 皮膚科 コスモメディカルクリニック院長ブログ

この量ををこすらないで、皮膚にのせるように塗るのを、“塗布”といいます!
こすって塗る“塗擦”とは、違うとよく説明させていただいてます朝晩塗る療法をしっかり、3~5日行っていただいて、状態をみて、お薬を漸減していきます。

その場合、表やグラフを用いて説明して、大体何日で、よくなって、あと何日塗ります。と詳しくご説明します。すると、お母さんたちも、見通しが立たない治療は不安ですが、目安となる日数がわかることで、安心して外用治療を行っていただけます。

まだ、自分の気持ちを言葉に表現出来ない、赤ちゃんの肌のこと。
出来れば、知識を深めてママも赤ちゃんも、comfortable(快適)で、毎日過ごしたいですね。