多汗症(手のひら、足の裏、わきの下)
多汗症とは、汗が本来の役割を超えて大量に発汗してしまう症状のことを言います。通常、汗には体温調節機能や皮膚表面の適度な湿度を供給する機能、自然免疫などにより外界の細菌、ウイルスから体を守る作用がありますが、多汗症の場合はそうした汗本来の役割を超えて、日常生活に支障をきたすようになってしまいます。
症状が出る部位は人によってさまざまで、手のひら、足の裏、背中、わきの下などに多く見られます。特にわきの多汗は衣服にシミができるなどの悩みにつながることもあります。
多汗症の分類
多汗症は、症状が出る場所や、他の病気と併発しているかいないかで下記のように分類されます。当院では、このうち原発性局所性多汗症の治療を行っています。
原発性局所多汗症の診断基準
下記6項目のうち2項目以上あてはまると原発性局所多汗症の可能性が高くなります。 以下は、日本皮膚科学会の原発性局所多汗症の診断基準です。
- 初めて症状が出たのは25歳以下の時
- 左右どちらも同様に汗をかく
- 睡眠中は汗が止まっている
- 1週間に1回以上多汗の症状が出る
- 家族で多汗症の方がいる
- 多汗症の症状で日常生活に支障がある
原発性局所多汗症の治療法
治療には、外用薬・内服薬・イオントフォレーシス・ボツリヌス毒素注射などがあります。
当院では、外用薬による治療およびボツリヌス毒素注射による治療が可能です。
- 外用療法(保険適応)
わきの多汗症に対しては、アポハイドローション や エクロックゲル などの保険適応の塗り薬が使用できます。
これらは汗腺の働きを抑えることで発汗を軽減します。 - ボツリヌス毒素注射
直接交感神経の末端で発汗を促進させる、神経伝達物質アセチルコリンの放出を抑えることで、発汗を一時的に抑制します。
わき、手のひらや足の裏などの多汗症にも有効性があります。
患者さまの症状の部位や重症度、ライフスタイルに合わせて最適な治療法をご提案いたします。
お気軽にご相談ください。
