診察をしていると、患者さんから「このホクロは悪いホクロですか?」あるいは「放置していたら悪性に変わりますか?」と質問されることがよくあります。
ホクロは医学的には母斑細胞性母斑(盛り上がったホクロ)と単純黒子(平らなホクロ)に分別できます。どちらも胎生期のときに神経堤という部位から発生した母斑細胞の異常増殖によって出現するものです。ホクロに似た悪性腫瘍として基底細胞癌と悪性黒色腫(メラノーマ)があります。
基底細胞癌は50歳以上の方に多く、顔や頭に出現し易い病気です。色調は灰青黒色で表面に少し光沢があり、大きくなると崩れ易いのが特徴です。
悪性黒色腫は大きさ7mm以上、形状は左右非対称・不規則、色調に濃淡があり、墨汁が染み出したような状態のものもあります。
このような状態でなければまずは良性のホクロと判断します。また現在の医学的見解として、良性と悪性は異なるものと考えられており、良性のものが悪性になることはとりあえず考えなくてよいでしょう。 そして、良性の患者さんからよくご質問いただくのが「良性でも取ったほうがいいのでしょうか?」というものです。
医学上は良性のホクロの治療はとくに気にならなければする必要はありません。しかし、私自身の見解として顔にできた3mm以上の母斑細胞性母斑はとってしまった方がいいと考えています。その理由として3mm以上の母斑細胞性母斑は診療経験上、増大する傾向にあり、単に美容的問題だけでなく、物理的刺激も受け易くなり炎症を誘発する原因となるからです。
実は治療も簡単で、局所麻酔後10分程度で終わり、傷も小さいものほど目立ちません。また大きくなってしまってからの処置では、母斑細胞も皮膚の深いところまで存在することがあり、1回の処置では難しくなってしまうこともあります。
単純黒子の治療を希望する方はレーザーでシミ抜きを行うことをお勧めします。これで治った場合まず傷跡になることもなく、麻酔クリームを塗布するだけで殆ど施術の痛みはありません。ただしこの治療は複数回必要となります。
どちらにしても、もし、目立つところに気になるホクロがある方は、お気軽にご相談ください。
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皮膚科 中野新橋駅前皮フ科