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一般的に、ニキビは炎症性のニキビ、非炎症性のニキビに分けることができます。

そして、炎症性ニキビの治療は、抗生物質の外用、内服が中心になります。

非炎症性ニキビの治療はスキンケア、ピーリング的治療が中心になります。

どちらにしても、デイリーケア(ex.食事の内容、睡眠、ストレス対策)スキンケア(対応メイク、洗顔、保湿ケア)が基本になることは言うまでもありません。

まず抗生剤の長期内服は、患者さん自身の胃腸障害、肝障害を誘発する可能性があり、女性の場合はカンジタ症になる症例が多いため、特に当クリニックにおいて、極めて悪化しない限り、抗生剤は外用を基本とし、漢方・ビタミン剤を積極的にとり入れた治療を行っています。ただし、悪化時には放置すると瘢痕になり、後日修復が困難になるので、短期間の抗生剤の内服は行います。

非炎症性のニキビは皮脂を摘出するためのピーリングが最もよい適応といえます。当クリニックではグリコール酸、乳酸等を使用したケミカルピーリング、ビタミンA類似物質であるトレチノインという物質を使用して自宅で行うホームピーリングがあります。それとよく一般的なピーリングとしてイオウカンフルローションというものをつかった軽度なピーリングもあります。

残念ながらデイリーケア・スキンケアができない方は、治療後は再発し易いだけでなく、効果も悪くなります。
ただ 現代社会において生活ケアが必要とわかっていてもできない職種の方がいます。そういった方は特に血液中のホルモンバランスが崩れ、血中のアンドロゲンという男性ホルモンの量が増加し急激に非炎症性の白ニキビが増える方がいます。そういった方は抗アンドロゲン作用のお薬を半年程度服用していただくとかなり改善されます。

男性ホルモンであるアンドロゲンはニキビと関わりの深いホルモンで、その病態機序は皮脂腺や毛包を形成する細胞にあるアンドロゲンレセプターを介して作用します。その結果、皮脂の産生促進や脂腺性毛包の過角化を誘発しニキビが出現します。

最近、思春期以降の女性に難治性ニキビの患者さんが増加しています。こういった患者さんは思春期の頃にはニキビはあまりなく、社会人になってからひどくなる傾向があり、特に口のまわりやフェイスラインに出現し易いのが特徴です。

おそらく近年の社会情勢により、寝不足・過労・ストレスが増えホルモンバランスが崩れ、悪化し易くなったのではないかと考えられています。

このような傾向のある患者さんには従来のニキビの治療である抗生物質やビタミン剤では反応が乏しく、経口避妊薬や抗アンドロゲン作用のある薬物の利用が奏効します。ただし一部の患者さんには不正出血やむくみなどの副作用を認めます。

そこで当クリニックではまずホルモンバランスを調整するための漢方投薬から開始し、効果が顕著に現れなければ抗アンドロゲン療法を行います。さらに同時に副作用を回避するための漢方処方もおこないます。漢方は粉薬だけでなく、錠剤・カプセルもあり苦手なかたでも服用は可能です。夜勤やストレスの多く、難治性ニキビの女性の方は是非試す価値のある治療だと考えます。

ニキビは後遺症の問題だけでなく、存在することだけでストレスを感じるようになり、精神的にもかなりの負の連鎖を引き起こしている場合が少なくありません。

また、ご自身に合わない化粧品や自己流の処置で悪化されて来院される方も少なくありません。できる限り早く、勇気を持って医療機関を訪ねて改善に着手することをお勧めします。

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